【ACMilan "9番の呪い"の系譜】
皆さんお疲れ様です。
今回はミラン暗黒期を象徴する1つの呪い、
「9番の呪い」を取り上げてみたいと思います。
「9番の呪い」を端的に説明すると…
フィリッポ・インザーギが2012年に引退後、彼が2001年から背負ってきた9番を受け継いだ誰もが失敗している、という現在進行形の呪いですね。
文句なしのレジェンドですね。
"オフサイドラインに生きる男"そんな風に呼ばれる事から象徴されるように、ゴールへの嗅覚がとてつもなく長けているFWです。
そのキャリアの中で、ルイコスタやカカ、ピルロ等チャンスメーカーにも恵まれてきましたね。
彼については、いつかのワールドサッカーキングのインタビューで、プロデビューしてからのゴールを全て覚えていると言っていたのが印象的ですね。本当でしょうか。笑
では、時系列順に受け継いだ選手たちの末路を見ていきましょう。
1人目は、ミラニスタにはお馴染みのパト。
2012-13 / 4試合 0ゴール
12-13シーズン、満を辞してインザーギの9番を受け継いだ彼でしたが(私的にはパトは7番の方が好みでしたね)、結果は散々。
怪我がちで試合にもほとんど出場出来ず、冬にブラジルのコリンチャンスへ新天地を求める事に。
最近ミラン復帰の噂もちらほら見かけますが、まだ30歳なんですね、驚きです。笑
2人目は、先日引退を発表したアレッサンドロ・マトリ。
2013-14 / 15試合 1ゴール
(チャンスメーカー:カカ)
13-14シーズン、大物FWを獲得すると言われ続けてやってきたのがマトリ。
ミランの下部組織出身であり、飛躍を遂げたカリアリ時代の恩師であるアッレグリとの再タッグで、私自身は期待していました(周囲の反応は冷ややかで、当時にしては高い移籍金にも疑問符が付けられてはいましたが)。
ですが私の期待に反し、前半戦1ゴールと寂しい結果に終わり冬にフィオレンティーナへローン。
その後もミランで活躍することはありませんでした。
3人目は、スペインの貴公子フェルナンド・トーレス。
2014-15 / 10試合 1ゴール
(チャンスメーカー:メネズ)
14-15シーズン、当時衰えが顕著ではありましたが、スペイン代表で全てを勝ち取った名手、トーレスがそのシャツを纏いました。
しかし、歴戦の名手をしてもこの呪いには勝てず。
またしても1ゴールのみとなり、冬にアトレティコへ復帰しました。
その際に、チェルチとのトレードのような形となり当時大喜びだったのですが、チェルチも散々でしたね…。
4人目は、彫刻のような整った顔立ちのマッティア・デストロ。
2014-15 / 15試合 3ゴール
(チャンスメーカー:メネズ)
14-15シーズンの冬に加入。当時インザーギ監督の下、メネズの0トップで前半戦を凌いでいたミランにとって待望の本格派ストライカーでした。
しかし、メネズとの呼吸も合わずまたしても期待外れ。(あんまり語ることがない…)
シーズン後にはボローニャへと新天地を求めました。
5人目は、CLで1試合5得点を記録し、クリスティアーノロナウドが持つCLグループステージの最多得点記録に並んだルイス・アドリアーノ。
2015-16 / 26試合 4ゴール
(チャンスメーカー:ボナヴェントゥーラ)
15-16シーズン、シャフタールから加入。バッカと組む形も多くサポート役に徹することも多かった印象ですね。
しかし、ミランの9番を務めるには得点力が不十分でした。
このシーズン途中に江蘇蘇寧への移籍が土壇場で破談になったことを覚えているミラニスタも多いのではないでしょうか。
1500万ユーロで売り付ける絶好の機会だったのに…笑
その後、2017年1月にスパルタクモスクワに移籍していますね。
6人目は、魂の漢ジャンルカ・ラパドゥーラです。
2016-17 / 27試合8ゴール
(チャンスメーカー:スソ)
16-17シーズンの9番は、15-16シーズンにセリエBのペスカーラで30得点を挙げ、得点王に輝いたラパドゥーラ。
基本的にはバッカの控えという形の起用でしたが、途中出場でもガッツを見せ、その魂のこもったプレイに何度も感銘を受けた覚えがあります。
彼にネガティブな印象を持つミラニスタは少ない印象ですね。
前のシーズンに30得点を挙げていた、という事を考えると物足りない結果ではありましたが、唯一まずまずの評価を与えられる9番ではないでしょうか。
しかしその後は、ミランで活躍することは出来ずにジェノアへと新天地を求めることになりました。
7人目は、クリスティアーノロナウドの後継者、という触れ込みだったアンドレ・シウヴァ。
2017-18 / 24試合 2ゴール
(チャンスメーカー:スソ)
17-18シーズン、大型補強の目玉であったアンドレ。
カリニッチとの併用で長い目で見ていきたいとは思っていましたが、カンピオナートで2ゴールと余りにも寂しい結果に。
ジェノア戦でのヘッドの決勝弾は明るい未来を予期させるものでしたが、クトローネの台頭もあり上手くはいきませんでした。
現在は、レビッチと入れ替わる形でフランクフルトへローン中です。
8人目は、1シーズンでのセリエA最多得点記録を保持するゴンサロ・イグアインです。
2018-19 / 15試合 6ゴール
(チャンスメーカー:スソ)
18-19シーズン、ミラン史上最低最悪なキャプテンの移籍オペレーションに組み込まれる形でミランに加入。正直、彼が失敗するなんて微塵も思いませんでした。
加入当初のプレシーズンマッチでのマドリー相手の完璧なプレイ。シーズン序盤には、組み立てからフィニッシュまで全てに関わり、クトローネとの相性も良好。全てが上手くいっている、そんな印象でした。
しかし、全てを悪い方向へと導いたのがユーベ戦でのPK失敗と退場でした。自分の中で、今でも1番に後悔してるのがこの試合と言っても過言ではありません。本当にPKを決めて欲しかった…悔やんでも悔やみきれません。
結局彼は冬にチェルシーへ移籍。今ではユーベに帰還していますね。
9人目、最後の1人はピストレロ(狙撃手)、クシシュトフ・ピョンテクです。
2019-20 / 18試合 4ゴール
(チャンスメーカー:スソ)
19-20シーズン、満を辞してインザーギの9番を引き継いだのはピョンテクでした。
元々スソと呼吸が合わない問題は有りましたが、昨年のゴールラッシュをもう一度、そして今年こそ得点王を、という期待感でいっぱいでした。
しかし蓋を開けてみると、ジャンパオロのもたらした混乱に巻き込まれる形で不調に。
その後、ピオリ体制でも本人のイージーミスもあって中々得点を挙げられず、冬にイブラヒモビッチが加入した事もありヘルタへ旅立ちました。
以上が、ミラン「9番の呪い」の系譜です。
そして、次の9番は誰になるのかという疑問も当然生まれてくると思います。
現所属メンバーの誰かが引き継ぐ可能性もありますが、新加入として噂が出ているところだと、
①ヨビッチ(マドリー)
②ベロッティ(トリノ)
③スカマッカ(アスコリ:ローン)
④デパイ(リヨン)
といった面々です。
うーん…安心安全のレアル産、"元"1億ユーロ、イブラの後継者、オランダ代表エースって感じで誰が来ても期待できますけど、どうでしょうね。笑
ミラン暗黒期を打ち破る鍵だと思っているので、フロントにはしっかりと監督の意図に沿った獲得を心がけて欲しいですね。
ではこの辺で。
最後まで読んで頂きありがとうございます。